先日ハワイで一番大きな島ハワイ島にあるマウナケアという標高4,205mの山に登ってサンセットを見てきました。それはそれは素晴らしいもので、見わたすかぎりの大きな空を朱く染めながら雲の中に消えていく太陽を見ていると、わけもなく泣きたくなりました。そう言えば今年のお正月に電車の中で日中からお屠蘇気分のおじさんが嬉しそうに電車の窓から太陽を見上げ大声で「おてんとさん!いつもありがとう!」と手を2回叩き拝んでいる光景に出会いました。その時は笑いを堪えるのに必死でしたが、後になって考えてみると「太陽にありがとう」―なんて素敵な言葉なのでしょう!私達は太陽の存在をごく当たり前に感じていますが、太陽は地球に住む生物たちに欠かすことのできない恵みを与えてくれているのですものね。だからこそ太陽は世界各地で神として信仰の対象になっているのでしょう。ハワイ島のお隣のマウイ島にあるハレアカラという山の名前がハワイ語で「太陽の家」という意味であるようにハワイにも太陽の神がいます。ハワイにはカネ(太陽、真水、全生命の父)、ロノ(収穫、雨、平和の神)、ク(戦争、森の神)、カナロア(海の神)の4大神があり、天地創造の神々として崇められています。今回はハワイの天地創造(Kumulipo・クムリポ)の中のハワイの島々が誕生するまでの神話に少しだけ触れてみたいと思います。
 クムリポの伝説は大きく3つに別れていて、1番目に世界が生まれる時のこと、太陽も月のなく真っ暗なところから始まります。2番目にアイカプ(ルール)のこと、そして3番目に大地を守ることです。 
 むかしむかし夫ワケア(空)と妻パパハナウモク(大地)の夫婦がいました。この二人の間に1.ハワイ、2.マウイ、3.ホオホクオカラニの3人の子供がいました。三女のホオホクオカラニはとても美しい娘に育ったのを見て、父ワケアは自分の娘に恋をしていしまいました。その頃のハワイは近親相姦は決してタブーではありませんでした。このことを父ワケアはカフナ(伝道者)に相談したところ、カフナは3つの条件を出しました。1.何ヶ月間か祈ること、2.妻パパハナウモクと離れること、3.妻パパハナウモクの同意を求め、彼女から出る条件を実行すること。パパハナウモクの出した条件は、男と女のする役割分担、仕事において農作業、釣り、料理、生け贄はすべて男の仕事とする、これが後にハワイ諸島の誕生と共に始まった古代の掟(Aikapu・アイカプ)と信じられています。この条件を胸に父ワケアは娘ホオホホクオカラニと一緒になり、2人の間に子供が産まれました。しかし1人目は死産してしまい、その子を土の中に埋めたところそこから初めてハワイ人の主食となるタロ芋が育ったそうです。
 一方母パパハナウモクは夫ワケアと別れる前に別の男性の子供1.モロカイ、2.ラナイ、3.カホオラベを産みます。その後、夫ワケアと正式に別れて二人目の夫と結婚し出来た子供がオアフだそうです。しかし話はまだビックリな展開がありました。 ワケアとパパハナウモクは再び寄りを戻し、3人の子供が出来ました。その子供たちが1.カウアイ、2.ニイハウ、3.ニイホアです。これがハワイの島々が誕生したお話でした。
 この話から、何故ハワイの人たちが性に対して開放的なのかよく分かります。だからハワイアンソングにはたくさんの性をうたった曲があり、決して陰湿でなく明るく歌われているのです。ハワイの人達にとってセックスは食べることと同じなのです。そして美しい自然に感謝し生活しているのです。今の私達のまわりにはたくさんの情報があり、便利な時代になりましたが、それに比例して大切なものを忘れているように思います。私達が生きていく上で一番大事にしなくてはいけないこと、それは自然であり、この美しい地球なのです。次の曲はそんな美しい地球をうたった曲です。
essay  上原 まき UEHARA MAKI
フラの世界ではマドンナ的存在のフラ・ダンサー。また山内雄喜&ザ・パイナップル・シュガー・ハワイアン・バンドではフラも踊れるミュージシャンとして参加する。
上原まきさんの最新情報は、http://www.asahi-net.or.jp/~mi8yuehr/をチェック。